阪大将棋部 雑兵日記

明道館 雑兵共の 夢の跡
<< 自己紹介 前田 貴也 | main | 2017年夏合宿 >>
用和為貴
0

    この時期になると雑兵日記上で、卒業される方から御高説を拝聴するのがここ数年の恒例になっている。私、原田も何か書いてやろうと企んでいた時期もあるが、このような話は将棋部の本職である指将棋に傾倒した者が語ってはじめて意義のあるものになるのである。阪大将棋部、関西学生棋界の層の厚さに恐れを成して早々に向き合うことをやめた奴が延々と語ったところで誰の心に響こうか。
    「年寄りが先のあるものに道を譲る機を逸する。これほど愚かなことはあるまい。老害として醜態を晒すより、託すという体で威を保ちたい」(迫稔雄作、「嘘喰い」より)
    もちろん協力を仰がれれば喜んで馳せ参じたいと思っているが、こちらから声をかけるというのは野暮だ。現役が好き放題伸び伸びとやるのが筋だと思う。
    さて長くなってしまった前置きはこの辺にしよう。これからは3月25日に行われた第15回詰将棋解答選手権チャンピオン戦の自戦記を書く。チャンピオン戦は39手以内の詰将棋5題を90分で解くラウンドを2回行う。私自身チャンピオン戦は2年ぶり2回目の参加。前回は43/100点で45/85位。今回の目標はズバリ7完。そのためには20手台の問題もしっかり解かないといけない。ここ1年はパラの短大や大学も少しずつ解けるようになっていたので自信はあった。なおこの自戦記は各自で90分×2回を測って取り組んでから読まれた方が楽しめると思う。(時間がない場合は問題用紙を見ながらでもいいかと)
     

    10:50、慣れない阪神線、慣れない野田駅を経由して割とギリギリに大阪会場に到着。急いで受付に向かうと詰パラのM上編集長と話し込む男性の姿が目に入る。ちょっとー、時間ギリギリなんですけどー、早く受付したいんですけどー、と思いながらお顔を拝見すると、なんとなんとS藤慎七段ではありませんか。どうぞどうぞ、ごゆっくりしてください(テノヒラクルー) こんな感じで気軽にプロ棋士に会えちゃうイベントなんです。これを読んでる部員諸氏も来年は出なきゃ損よ。
    受付を済ませると席について説明を受ける。問題用紙も受け取るが紙が分厚い上質な紙になってて(残念なことに)表が全く透けて見えない。公平性を期す上でいいことだと思う。
    11:10、第1R開始。受験生よろしくまずは全体をチェック。,らいきなり双玉で仰け反る。いやーな位置に角がいるが、幸いにも玉の逃げ場は無さそうなので簡単そう。△麓虍力がないが攻め方も戦力が玉から遠いところに固まってて攻めにくそう。とりあえず54馬43合42桂成を読むことになりそう。は持駒が飛銀銀銀銀桂…作意が運良く先に見つかることを祈ることになりそう。い魯僖坤襯船奪な問題。割と得意な部類。もしA木氏の作品なら難解ではないはず。イ…たぶん1ミリも考える暇はないだろうな。解く順番は´↓き に決めて早速,悄
    桂飛桂まではなんとなくノータイムで指すところ。そこまで暗算で考えたところで止まったので盤に並べる。すると56飛〜 93角成の邪魔駒消去がそれっぽく見えちゃったんですね。そこで指すなら初形で93角成とすれば飛車は死ななくて済んだの にって話ですが…。これを機に角が左に行く順しか見えなくなりあっという間に10分経過。そういえば右に角を動かしてないなと思って35角としてみる。あれ、香車取れるじゃん。主題であろう57金の移動合は1秒で見えて―わり(11分経過)
    続いて◆さっき考えた54馬に合駒から考える。42桂成では23に逃げられるのがめんどいかもと思い22に成る。すると同玉は12香成でだいたい形は詰み、41玉は金を捨てて43馬を目指せばだいたい詰みに気づく。従ってダイレクトに23玉だがこれに対しても22桂成14玉とするくらいしかない。あれ、しかしこれは36馬で簡単ではないか?と焦る。どこに抜け落ちがあったかと遡って探すもなかなか見つからない。そして10分経って気づくのであった。36馬はタダで取られるということに。あとは38角に合駒が利かないことに気づいて瞬殺(瞬殺とは言ってない)。ここまでで30分。残りは60分。4問狙いだとちょっと心細いかもと思いながらい悄
    盤面下半分は香車と玉で2つのバッテリーを作ってアレコレするのは一目ではわかるが、上半分は空き王手したところで角が取られて何も続かない。よく分からないのでとりあえず下半分だけ考える。どこでもいいように見える香打ちは一般的に最遠打から読み始めるのがいいと思う。近づけて打って詰まないパターンの中には中合を稼げなかった場合があるからだ。とりあえず19香25玉47角36歩同角同桂と進めてみた。打歩で困ったように見えるが17玉と自ら香筋を止めるのが好手。以下、26歩〜27玉で捕まっている。というわけで2手目は中合だと思い初形に戻す。しかしどの合駒も取ってすぐに打てば詰んでしまう。焦る。またまた焦る。こういう時は黙って盤に並べるに限る。そして気づく。先ほどの26歩〜27玉は19金と根元が取られることに。ということで初手は取られないように、かつ17玉と寄れるように18香と決まる。となると今度はどうやって逃れるのかを探すことになる。パズル系は詰みすぎると詰まないの往復と根気強く戦うのがコツである。しかし今度は簡単に見つかった。17玉の瞬間に15玉とかわすである。そこで27玉空き王手をすると…千日手…?いやいや28玉として金を取りに行く順があるじゃないか!そうなると47角は決めない方がいい。どうやら筋に入ったようだと感じた。残り15分。間に合いそうと思い伸びをした。28玉に対して単に2筋に逃げると簡単なので16と27に連合だろう。16は前に利かない駒で桂馬、27は金を打つ余裕を与えないように逆王手で桂馬とすぐわかる。しかも28玉に16桂同香25玉と進めてしまうと金を取らずに17玉〜37桂がある。よって26玉とし18桂を打たせることになる。あとは2回目の桂合も香で取ってしまって16玉と逃げられた局面に。持駒は金桂。空き王手しかないが27桂と3回目の桂合が出てくる。これもちぎって持駒は金桂桂。守備力は丸裸だが、どうも詰みがない…残り10分…困った。そこでふと思い出した。放置していた上半分の存在を。27の香を走る空き王手で上半分ドッキングできるのではないか…?どこかで成香を捨てれば歩が取れるのではないか…?歩があれば…持駒が金桂桂歩なら詰むのではないか…?

     

     

    終わった… 解けたああああ!

    運営「残り1分です」

    あああああああああああ(以下、検閲により削除)

    何手あるのこれ?書けるの?4手合うごとに部分点は貰えるので、とりあえず書くしかない。21手詰だったが9手書いたところで時間切れ。しかもテンパりすぎて初手に香を成ってしまったため0点扱い…(ちなみに初手香成は角を早く渡してしまうので27玉に16角合が 成立する?)
    結果は´△里濱飢鬚20点。あと3分あればい蘯茲譴討い燭世蹐Δ…しかも関東の結果を見てみるとい解けてる人が少ない。プロの先生も正解率がよろしくないようで。悔しい。取りたかった。
    競技が終わった直後のM原くんに挨拶。指し将棋に転向し立命の7席を勝ち取ったのは記憶に新しいところだが、第1Rもしっかり4問出来たようでさすがだと思った。続いてOBのODAさんにご挨拶。´↓い正解では時間が足りなく部分点止まりという手応えだったようだ。第1Rの答えは既に配られてるのでODAさんと眺めていたのだがイ硫鯏が意味不明すぎるので2人でご飯食べながら考えることになった。向かったのはCoCo壱。気分は一軍戦さながらである(伝わる現役生はいるのだろうか)帰りに帰省の切符を買いに寄り道したので時間ギリギリに会場へ戻った。谷川九段の横を通り過ぎて着席。午後は特に説明もなくササッと問題用紙が配られる。午前に比べれば気持ちに余裕があったので問題用紙をもらう時に顔を上げたら配ってくれた人と目が合った。U野八段だった。こんな近い距離でプロ棋士に会えるイベントはチャンピオン戦だけ!画面の前の部員諸氏も今すぐ来年の大会に参加するためにトレーニングを開始するのです。
    14:00、第2R開始。またしても全体を眺める。Δ魯ーソドックスな配置の手筋物っぽい。そういや第1Rには無かったタイプ?まぁ解けないことはないだろうと思う。Г魯僖辰噺で63合が見える。前日に看寿賞作品集で波崎氏の直列を並べたからか飛合が頭をよぎ る。┐六駒がめんどくさそう。しかし玉は狭いのでやる気は出る。は龍の翻弄だろうか。1年前のチャンピオン戦の(だったっけ?)を思い出す。こういうのは論理的に迫れば意外とどうにかなるので苦手ではない。はどうもみてるS馬作のラスボス。どんな構想か気になるが本番中は一旦ほっておくしかない。第2Rは順番に解くことにする。
    というわけでΑ△箸蠅△┐座任弔覆34香〜44桂とか、23金とか?と思ったがどうも思わしくない。上に上がられた時に41馬と寄る形が欲しいのだ。となると邪魔なのは24の角。そこで33金〜44桂と迫る。しかし上がられた時に35の地点が抜けていることに気づく。あぁなるほど、初手は35香か。桂馬は34限定のために置いてるんだと思い込んでた。後は41馬に取るより上がる方が長いことに気をつけて終わり。ここまで8分。
    続いてА7砲魍くしかないがとりあえず左になる。しばらくはどっちでも困らないだろう。上がると簡単なことを確認してから63Xと合駒してみる。同角成とすると二進も三進も行かなくなるので57桂から83角成とするのが自然だろう。82の馬は常に46を睨んでないといけないので、ここまではスラスラと進んだ。83角成に46玉は63歩成55合同馬同玉に73馬と寄れるの がポイントだ。この時点で初手の桂成が右であることもわかった。ということで73馬とされないようにXに強い駒を打ち83角成に 、74Y(Y=飛or金)を用意するのが正解とわかる。あとはX,Yが取られた時に長くなる順を探して終わり。 最後だけちょっと手こずってしまった。残り70分。
    4問解くには悪くないペース。一息ついて┐惴かう。とりあえず歩を叩くところからスタートしてみる。歩や桂を駆使して33まで落として詰み上がりだろうというのはな んとなく分かる。しかしうまくいかない。上に来た時は竜の横利きを残すか27銀を打つ形にしないといけな いのだが難しい。仕方なく初形に戻して考え直すも、初手に桂馬を打ってしまうとさっき読んだ変化とあまり変わらずパッとしない…えぇ…いきなり銀打つしかないの…?だって持駒は銀桂桂桂歩歩だよ…?打つよ…?


    あぁ…引く以外簡単じゃん…

    しかも引いても歩から竜で筋に入ってるじゃん…


    そこからは角の移動合による打歩誘導も、竜を呼んでの打開も、邪魔駒消去の収束も全て合わせて1分で終わり。終わってみれば初手に時間をかけすぎた印象。残り30分。
    は頭4手を当てれる気もしないのでに残り30分を費やすしかない。この手の作品は持ち駒は多いが、退路に気をつけながらロジカルに解けば意外となんとかなるタイプ だと思う。特に今回は時間もないので詰みそうな変化はさっさと読み飛ばして、 筋にハマった作意を真っ先に見つけるのがポイント。まず最初の目標は27の竜の無力化or壁化を図ること。となると初手は18香。変化は読まずに同竜。筋は28桂。17玉の変化が詰みそうにないが、筋は筋なのでとりあえず同竜として進める。竜が1つ前進し壁を作ることに成功したが、ここで手が止まる。 うーんとひとにらみ。お、いきなり28桂を打たずに38角〜同竜〜28桂〜 17歩が見える。これなら17歩に同玉もピッタリ詰む。あとは同竜を考えるだけ。しかし残念なことにここは既に間違っている。が、そんなことに気づかぬまま同竜の局面で10分を費やしタイムアップ。

    ΝЛ┐妨躓は無く30点確保。の解答を見て唖然。単に28桂〜 17銀を読んだ時に同玉が無理そうなので諦めたのだが、同竜を先に読み38角とすれば作意を見つけられていたと気づいたのだった。

    総合成績は50/100点で54/105位。ど真ん中ですねぇ。ひとめ進歩はなかったが、い浪鬚韻討い燭海箸函↓も解けない問題ではないと思えたことを考えると悪くないかと。この1年で高校もそこそこ解けるようになったし、盤に並べれば短大、大学もちょっと解けるようになったのが結果に出たと思う。これからも毎月短大完答を目標にすれば、来年は70点が見えてくると思う。初めて一般戦に出たのは4年前(だったっけ?)。4/6問しか解けなかった時に比べると大した進歩だと思う。ここまで詰将棋にのめり込めたのは素晴らしい作品群に出会えたからであり、その素晴らしさを部室のみんなと共有できたからである。指将棋から遠ざかった私が罪悪感を持たず部室にいられらたのはみなさんが個々の性格、趣味に寛容だったのが大きかったのだと思う。各位への感謝をもってこの自戦記を締めたいと思う。ありがとうございました。

    | 阪大将棋部♪ | レポートもの(将棋関連) | 22:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    スポンサーサイト
    0
      | スポンサードリンク | - | 22:54 | - | - | - | - |









      http://handaishogibu.jugem.jp/trackback/2064
         1234
      567891011
      12131415161718
      19202122232425
      262728293031 
      << August 2018 >>
      + PR
      + SELECTED ENTRIES
      + RECENT COMMENTS
      + CATEGORIES
      + ARCHIVES
      + MOBILE
      qrcode
      + LINKS
      + PROFILE